「お得さ」アピール 「パスモ」開始まで1カ月
http://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/070218/sng070218000.htm
首都圏の鉄道・バス共通IC乗車券「パスモ」の基本デザイン
首都圏の主要私鉄、バスが3月18日から導入するICカード乗車券「PASMO(パスモ)」のサービス開始までちょうど1カ月。JR東日本の「Suica(スイカ)」との相互利用で、JR、私鉄、バスが1枚で乗り継げるようになり、公共交通の利便性は飛躍的に高まる。私鉄各社はさまざまな「特典」で、自社カードへの囲い込みに懸命だ。
首都圏・私鉄各社 ポイント還元…乗客囲い込み
パスモはスイカと同様に、改札機にタッチするだけで乗り降りできるICカード乗車券。無記名型と記名型の2種類があり、無記名型は駅ですぐに購入できる。2万円を上限に券売機などでカードに入金し、運賃の支払いや電子マネーとして利用する仕組みだ。
一方、記名型は住所や氏名などの登録が必要だが、IC定期券やクレジットカードで自動的に入金する「オートチャージ(自動入金)」など、より便利なサービスが利用可能となる。
オートチャージは、残額が2000円以下で、自動改札機にタッチすると、自動的にクレジット払いで3000円が入金される仕組み。入金の手間が省け、「鉄道やバスがシームレスに利用できるほか、券売機前の混雑緩和にもつながる」(JR東・小縣方樹常務)とアピールする。
自社カードと連動
私鉄各社は、今月3日から記名型オートチャージの受付を開始。パスモと自社クレジットカードを連動させたポイントサービスを行っている。
クレジット決済や自動入金のポイント付与は、ほぼ各社横並びだが、乗車回数に応じて付与される「乗車ポイント」は、東京メトロ、京王電鉄、小田急電鉄の3社のみのサービスだ。
東京メトロの場合は、1回乗車するごとに区間にかかわらず2~5ポイントが加算される。小田急は乗車回数に応じて運賃総額の3~7%を、京王は5月末までの間、月に1回でも乗車すれば、鉄道で100ポイント、バス200ポイントを付与する仕組みだ。
乗車や買い物でたまったポイントは、グループの店舗などで使える金券に交換するのが一般的だが、東京急行電鉄と東京メトロの2社では、駅のポイント交換機で、1000ポイント単位でパスモに入金(1ポイント=1円)ができる。ポイントを電子マネーに“換金”するサービスは、鉄道ICカードでは異例だ。
一方で、ポイントを「東京ディズニーランドの入場券と交換できる」(京成電鉄)、「羽田空港店舗での割引」(京浜急行)など、沿線施設でのサービスはさまざま。私鉄・バスで組織するパスモ協議会では「買い物やなど生活スタイルにあったカードを選んでほしい」とアドバイスする。
乗り換えに課題
便利なパスモだが、一方で、注意点もある。例えば、IC定期券は、3社以上を乗り換える場合、従来の磁気定期券とICカード定期とを併用する必要がある。路線経路の特定が複雑で、現在のシステムでは対応できないためだ。
また、JRと私鉄とが相互乗り入れを行っている区間では、同じ区間でも私鉄を経由する「乗り継ぎ切符」の方が、全線JRの切符より安いケースがある。しかし、パスモやスイカは乗降駅のデータで金額を決めるので、全線JRを利用した金額となる。
例えばJR三鷹駅~津田沼駅間は、途中の中野~西船橋間を東京メトロに乗り継ぐと運賃は590円だが、全線JRでの運賃は780円となる。JR東は「乗り継ぎ運賃は、券売機で乗り継ぎ乗車券を購入してもらう必要がある」という。
(2007/02/18 08:37)