関東で新たな”戦い”が始まる
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3月18日、関東の私鉄や地下鉄、バス会社など約100社の共通IC乗車カード「PASMO」が登場する。サービス当初から電子マネー機能を搭載し、駅ナカの売店や沿線の商業施設でもPASMOで買い物ができる。
過熱! 電子マネー戦争(2)PASMOで変わる鉄道カードの正解
関東で新たな”戦い”が始まる
3月18日からサービスが開始される「PASMO」
3月18日、関東の私鉄や地下鉄、バス会社など約100社の共通IC乗車カード「PASMO」が登場する。鉄道では1198駅で利用可能。サービス当初から電子マネー機能を搭載し、駅ナカの売店や沿線の商業施設でもPASMOで買い物ができる。
PASMOは事前にカードへの入金(チャージ)が必要なプリペイドタイプ。特定のクレジットカードを登録すれば、カードの残額が一定金額を切ると、改札通過時に自動で入金するオートチャージ機能も備える。オートチャージに使えるカードは、PASMOの出す「パスタウンカード」のほか、小田急電鉄、東武鉄道など私鉄各社が発行するカードだ。
改札などでの使い勝手はSuicaと同じ
加えてサービス開始と同時に、JR東日本の「Suica」との相互利用を実施する。PASMOでJR東日本の改札が使えるうえに、JRと私鉄、どちらの改札でもオートチャージができる。加えて、Suica加盟店でもPASMOで買い物が可能。Suicaの加盟店は1万200店(2月4日時点)に達するため利便性は高い。関東全域をほぼ、一枚のカードでカバーできる形だ。
SuicaとJR西日本の「ICOCA」、ICOCAと関西地区の私鉄、バスが使える「PiTaPa」など、すでに相互利用を行っているケースもあるが、これらはあくまで改札だけ。それぞれの電子マネー加盟店で相互に使えたり、互いの改札でオートチャージができたりするのは、PASMOとSuicaの例が初めてだ。
PASMOへのオートチャージが可能な電鉄系クレジットカードの例。上が小田急電鉄、下が東武鉄道のカード
だが、利便性が上がる一方、ちょっとした落とし穴もある。SuicaとPASMOを重ねて改札や決済端末にかざすと、データが読み取れなくなる。一つの定期入れには、どちらか片方しか入れられないのだ。利用者はメインで使うカードを選ぶ必要がある。
例えば今、私鉄の定期券を使う人は、これをPASMOに変えるだけでいい。手持ちのSuicaカードは3月以降、必要なくなる。逆にJRのSuica定期券を使う人は、新たにPASMOカードを作る必要はない。
選択を迫られるのは、通勤や通学でJRと私鉄や地下鉄を併用しているユーザーだ。現在、JR東日本やPASMOではユーザー囲い込みに向けて積極的にサービスを充実させている。Suicaは07年6月から独自のポイントサービスを始めると発表しているし、PASMO陣営からもさまざまな優待サービスが出てきそうだ。両者のサービスが出そろった段階でメインカードを決めるといい。
関西地区では、すでにICOCAとPiTaPaが改札の相互利用を実施。07年4月からはPiTaPaの利用範囲が滋賀県や奈良県のほか、名古屋など中部圏の一部まで拡大。秋以降には静岡県までの拡大を予定する。電子マネーとしての相互利用はまだだが、交通運賃の決済用カードとしては広範な地域をカバーした。
SuicaとPiTaPaの相互利用も、時期は未定ながら準備中。実現すればSuica1枚で、関東と関西を自由に移動できる環境が整う。同様にPASMOとICOCA、PiTaPaの相互利用も期待されるところだ。
提携が進む関東、関西に対し、やや“孤立感”があるのが東海地区だ。06年11月からJR東海が非接触ICカード「TOICA」を導入しているが、私鉄、バスとの提携は進んでおらず、先に関西勢が進出してきている。
「エクスプレス予約」を使えば手軽に新幹線特急券が取れる
電子マネーの話からはやや外れるが、関東と関西を往復する人にとっては、間を結ぶ新幹線も安く便利に利用したいところ。
ここで注目なのが、JR東海の「エクスプレス・カード」とJR西日本の「J-WESTカード エクスプレス」だ。ケータイやパソコンから東海道・山陽新幹線の特急券が買える「エクスプレス予約」を利用できる。
東京~新大阪間の片道(指定普通席)が当日予約でも850円安くなり、自由席に乗るよりも安い。あまり知られていないが、3日前の予約だと最大で2050円も安くなる「エクスプレス早特」という制度もある。両カードの年会費は1050円。これで最高2000万円の海外旅行傷害保険も付く。年1度でも東京~新大阪間を往復する人なら、カードを作って損はない。予約するごとに区間に応じてポイントがたまり、一定ポイント以上たまれば普通車料金でグリーン車を利用できる「グリーンプログラム」も用意されている。
エクスプレス予約が使えるJR東海の「エクスプレス・カード」(上)とJR西日本の「J-WESTカード エクスプレス」(下)
JR東海と西日本では、どちらが有利なのか。違いはエクスプレス予約以外の、各カード独自のポイントにある。JR西日本のポイント付与率は一般加盟店で0.5%。みどりの窓口などで使うと1.5~3%になる。JR東海はどこで使っても約0.5%。付与率だけなら、JR西日本のほうが得だ。
しかし重要なのは、その使い道。JR西日本の場合、たまったポイントを移せる先はICOCAだけ(スマートICOCAの会員に限る)。その点、JR東海はポイントをNTTドコモやau、さらにはJALにも移せる。EdyへのチャージやQUICPayにも対応するため、持っていれば幅広いシーンで利用できる。