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スタート直前! 気になる疑問に答えますPASMO & Suica相互利用徹底ガイド

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0703/16/news057.html

3月18日からいよいよスタートするPASMO。Suicaとの相互利用により、首都圏は電車もバスもカード1枚で乗り降りできることになるため、どちらを使おうか迷っている人も多いのでは。本記事では、PASMOの詳細や、Suicaとの相互利用について詳しく解説! あなたの疑問に答えます。

2007年03月16日 12時27分 更新

 3月18日の始発から、関東の私鉄やバスで使える交通乗車券「PASMO(パスモ)」がスタートする(2006年12月の記事参照)。現在発行されている磁気カードの「パスネット」や「バス共通カード」が1枚になり、非接触ICカードになるイメージだ。また、PASMOの大きなメリットは、JR東日本の交通乗車券「Suica」と相互利用が可能なこと。つまり3月18日以降、PASMOかSuicaどちらか1枚を持っていれば、首都圏のJR、私鉄、地下鉄、バスすべてに乗れることになる。

PASMOの券面イメージ

PASMOのキャラクターは「ロボット」。普段はおなかのポケットにしまっているPASMOを使って移動するが、急いでいるときは自らバスや電車に変身して移動する、という設定。名前は「特にない」とのこと

 またSuicaと同じく、電子マネーとしても利用できる。ユーザーはSuicaとPASMOのどちらかを持っていれば、いずれの加盟店でも同じように支払いが行える。サービススタート時、PASMOが利用できる加盟店は約700店、自動販売機は約600機だが、すでに1万1000店以上あるSuica加盟店でも利用できるメリットは大きい。首都圏に住む・通勤する人のほとんどにとって、大きく利便性が向上することになる。

 PASMOのサービス開始にともない、JR東日本でもSuicaのサービス内容を一部変更している。この変更の影響もあって、「相互利用できる」と一言で言っても、細かい運用になると不明な点が多いのが現状だ。PASMOとSuicaはどこで使えてどこで使えないのか? 本記事では、3月上旬時点での取材をもとに、PASMOの概要やSuicaとの相互利用について詳しく解説する。

PASMOとSuicaどちらを選ぶか?――ポイントは4つ

 PASMOやSuicaが使えるエリアで生活している人が最も知りたいのは、「結局私は2枚とも使えばいいの? 1枚でいいとすればどちらを?」ということだろう。

 一般論としては、PASMOかSuicaのどちらかに一本化したほうが使いやすくお勧めだ。ただし一本化したほうがいいとはいえないケースもある。

定期をどこで買うか

携帯で使いたいか

クレジットカードと紐付けるか/メインカードは何か

首都圏以外でも使いたいか

 選ぶときにポイントとなるのは以上の4点。答えは記事の最後にまとめるので、気になる方は途中を飛ばして、最後から読んでほしい。

 下の地図は、PASMOとSuicaの両方が使えるエリアを示したものだ。以下「首都圏」と書いた場合は、このエリア内を指す。

PASMOとSuicaが使えるエリア

PASMOとSuica、利用できないケースもある?


PASMOとSuica、どこで使える/使えない?

 PASMOはSuicaと同じく、ソニーが開発した非接触ICチップのFeliCaを使ったIC交通乗車券だ。日本鉄道サイバネティクス協議会が定めたサイバネ規格に準拠しており、基本的な部分はSuicaに則って設計されている。

 現在首都圏の私鉄・地下鉄に乗れる共通乗車券としては、磁気カードのパスネットが販売されている。PASMOは“PASSNET(パスネット)”のPASと、“MORE”のMOを取って名付けられた。またPASMOの「モ」は「電車も、バスも、あれも、これも」利用できるようになる、という拡張性を示すという。

 PASMOには先払い(プリペイド)でお金をチャージしておき、そのバリューを運賃や電子マネーとして利用する。FeliCaは非接触ICなので、パスケースに入れたままで読み取り部をタッチすれば、改札を通れるのが特徴だ。乗車運賃は降車時に自動的に引かれる。使い捨ての磁気カードと違い、バリューがゼロになったPASMOは、券売機などでチャージ(入金)すれば何度も繰り返し使える。電車に乗るときだけでなく、対応レジであれば現金同様に買い物も可能。Suicaとまったく同じ利用イメージだ。

 首都圏では、PASMOとSuicaは全く同じように利用できる。Suicaの「Suicaグリーン券」やPASMOの「バス利用特典サービス」(後述)といった独自機能も相互利用できる。

 注意したいのは首都圏以外での利用や、JR西日本「ICOCA」と相互利用するケースだ。新潟・仙台のSuicaエリアや、関西のICOCAエリアでは、PASMOで電車に乗ることはできない。逆に、ICOCAでPASMOの改札を通ることもできない。PASMOとSuicaが利用できるところ、できないところを下の表にまとめたので参照してほしい。

利用できるところ/できないところ(首都圏)

PASMO事業者路線の改札 PASMO事業者駅の券売機 PASMO事業者のバス Suica対応改札(関東エリア) Suica対応券売機 PASMO電子マネー加盟店 Suica電子マネー加盟店

PASMO ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

Suica ○ ○ ○(初期の電子マネー非対応カードを除く) ○ ○ ○ ○

利用できるところ/できないところ(関東以外)

Suica対応改札(JR東日本路線の仙台・新潟エリア) Suica対応電子マネー加盟店 ICOCA対応改札(JR西日本路線) ICOCA電子マネー加盟店

PASMO ×(1年後を目処に対応予定) ○ × ×

Suica ○ ○ ○ ×

PASMOの種類、購入場所

 PASMOは大きく分けて3種類ある。誰でも利用できる「無記名PASMO」、登録した本人だけが利用でき、紛失時には再発行が可能な「記名PASMO」、そして記名PASMOに定期券機能を追加した「PASMO定期券」だ。記名PASMO、PASMO定期券については、こども用も発売される。

 記名PASMOに定期券情報を追加するとPASMO定期券になり、定期券を払い戻しすればPASMO定期券は記名PASMOになる。無記名PASMOに本人登録を行えば記名PASMOになるが、記名PASMOを無記名PASMOにすることはできない。

 なお、3月18日よりSuicaにも記名式の「My Suica」やこども用Suicaが追加され、PASMOとSuicaは同じラインアップになった(表)。Suicaカード、My Suica、Suica定期券の関係は、上記のPASMO3種類の関係と全く同じだ。再発行手数料も1000円から500円に値下げされ、PASMOと揃えられている。

 これらは駅で買えるが、駅で買えないタイプのPASMOも存在する。後述するオートチャージサービスが使えるPASMOは、クレジットカード会社から郵送されてくるものを自宅で受け取る必要がある。詳しくは以下の表を参照してほしい。

PASMO、Suicaの種類

 無記名PASMOはこれまでのパスネットと同じ扱いなので、駅の券売機で購入できる。記名PASMO、PASMO定期券などは原則として定期券うりばとなる。下に東京メトロの場合のケースを示す。

券売機 カード発売機 継続定期券販売機 駅事務室 定期券売り場

無記名PASMO ○ ○ ○ ○ ○

記名PASMO × ○ ○ ○ ○

小児用PASMO × × × ○ ○

PASMO定期券 × × △(継続定期券のみ) × ○

小児用PASMO定期券 × × △(継続定期券のみ) × ○

磁気定期券からの交換 × × ○ × ○

PASMOが購入できる場所(東京メトロの場合)

定期券の購入はどうなる?


連絡定期券はPASMOかSuicaへ一本化できる

 私鉄・地下鉄路線のみの定期券はPASMO定期券、JR東日本路線のみの定期券はSuica定期券として購入できる。今回の相互利用によって大きく変わったのが、PASMOとSuicaの連絡定期券が買えるようになったことだ。磁気定期券とSuicaを併用していたケースでは、PASMOとSuicaどちらでも、好きな方1枚にまとめることができる。

 PASMO定期券を購入する場合は、その路線の定期券売り場で購入する。例えば東急線の区間しかないPASMO定期券を、京成線の定期券売り場で買うといったことはできない。

 PASMOバス事業者の路線で定期を買うときは、PASMOとSuicaのどちらにも書き込める。ただし定期券を買っても券面には印刷されず、定期券の内容を記載した「IC定期券内容控」という紙を受け取る。

定期の区間 PASMO Suica

JR東日本のみ × ○

JR東日本+私鉄・地下鉄(連絡定期券) ○ ○

私鉄・地下鉄のみ ○ ×

バス定期券 ○(券面の印字なし) ○(券面の印字なし)

 現在私鉄・地下鉄の磁気定期券を持っている場合は、PASMOに移し替えることができる(デポジット500円が必要)。

 ちょっとややこしいのが、JRと私鉄・地下鉄をまたがる路線で、Suica定期券と磁気定期券を使っているのを、PASMO/Suicaの連絡定期券に1枚に変更する場合だ。例えばPASMOの連絡定期券にしたい場合、私鉄・地下鉄の定期券売り場で定期券代とデポジット500円を支払って区間変更を行い、連絡定期券を発行してもらう。同時に払い戻し証明書を受け取って、JRのみどりの窓口へ行き、定期券の払い戻しを受けることになる。Suica定期券にする場合はこの逆になる(ただしPASMOのデポジット500円は不要)。

PASMO+Suicaの2枚同時利用は不可

 PASMOとSuicaは2枚同時に利用できない。改札が2枚のカードに反応した場合は、改札が開かないので、定期入れにPASMOとSuicaの2枚を入れているようなときは注意したい。

 また乗り継ぎ駅によっては現在、私鉄・地下鉄の磁気きっぷ/定期券を改札機に通し、Suicaをタッチして通過できる改札がある。

 このような改札を、PASMOとSuicaを2枚タッチして通ることはできない。PASMOで入場した場合はPASMOをタッチして、Suicaで入場した場合はSuicaをタッチして乗り換え、1枚のICカードを使うことになる。

 このような場合、PASMOに切り替えず、磁気定期券とSuicaを併用したほうがいいことも稀にある。例えば地下鉄千代田線で西日暮里までの定期券を持っており、JRはモバイルSuicaで支払いがしたい、といったケースがこれにあてはまる。

残額や履歴を確認する機能

 Suicaには、改札を通るときに、残高が1000円以下だったり、定期券の有効期限が14日以内になると電子音で知らせてくれる機能がある(カードに処理を施す必要がある)。PASMOでもこの機能が引き継がれ、駅やバス営業所で「電子音お知らせ機能」を設定しておくと利用できるようになる。PASMOもSuicaも音の鳴り方は全く同じだ。


 また、PASMOで利用した残高や履歴を、駅の券売機やバス営業所などで表示・印字できる。PASMO利用分とSuica利用分を合わせて、直近20件まで何回でも印字が可能だ。履歴には、バスに乗った場合や買い物をした場合(表示はすべて「物販」)も含まれる。

 3月18日以降は、PASMOの公式Webサイト(http://www.pasmo.co.jp/)にアクセスしてWebブラウザから残高や履歴を表示・印刷できるサービスもスタートする。会社の交通費精算などを想定したサービスだ。こちらも、PASMOとSuicaの履歴を合わせて印刷できる。

 このサービスを利用できるのは、記名PASMOとPASMO定期券のみ。無記名PASMOでは利用できないほか、PASMOサイトに自分の氏名、生年月日、電話番号を登録することが必要になる。サイト内の「マイページ・PASMO履歴照会サービス」で3月18日以降登録できるようになる。

バスの割引、PASMOと共通カードはどちらがオトク?


バス利用特典サービス

 PASMOは電車だけでなく、バスや都電(都電荒川線)でも利用できる。PiTaPaとは違い、PASMO/Suicaには鉄道の割引運賃は設定されていないが、バス利用時のみは「バス利用特典サービス(バス特)」という割引制度が設けられている※。

※深夜バス、高速バスは適用外となり利用できない。


 バス特の仕組みは以下の通りだ。PASMOやSuicaでバスに乗車すると、1カ月間(毎月1日~末日)のバス利用額に応じてバスポイントがPASMOに付き、1000ポイントごとにバスで利用できるチケットとして還元される(表)。翌月には新たに0バスポイントからポイントが付いていく。バスチケットがたまったPASMOで対応するバスを利用すると、自動的に運賃として使用される。特典バスチケットの有効期間は10年間。

 現在のバス共通カードは1000円カードで1100円分、3000円カードで3360円、5000円カードで5850円使えるようになっている。PASMOのバス特では共通カード相当のバスポイントを設定しているようだが、バス特の場合はポイントのカウントが1カ月ごとで、1カ月経ったらポイントがクリアされてしまうところが厳しいといえる。

利用実績 特典チケット

バスポイント 付与チケット チケット累計

1000ポイント累積時 100円分 100円

2000ポイント累積時 100円分 200円

3000ポイント累積時 100円分 300円

4000ポイント累積時 100円分 400円

5000ポイント累積時 450円分 850円

6000ポイント累積時 170円分 1020円

7000ポイント累積時 170円分 1190円

8000ポイント累積時 170円分 1360円

9000ポイント累積時 170円分 1530円

1万ポイント累積時 170円分 1700円

 割引サービスに対応するバス事業者は、伊豆箱根バス、江ノ島電鉄、小田急バス、小田急シティバス、神奈川中央交通、川崎市交通局、川崎鶴見臨港バス、臨港グリーンバス、関東バス、京王電鉄バス、京王バス東、京王バス中欧、京王バス小金井、京成バス、京成タウンバス、京浜急行バス、羽田京急バス、横浜京急バス、国際興業、相模鉄道、西武バス、東急バス、東京都交通局(都バス)、東武バスセントラル、東武バスウエスト、箱根登山バス、日立自動車交通、平和交通、横浜市交通局の29事業者となる。

PASMOとSuicaで違う点(1):モバイル対応

 PASMOとSuicaで違う点もある。1つは携帯(モバイル)対応、もう1つは「オートチャージ」だ。

 Suicaはカードだけでなく、おサイフケータイでも利用できるが(モバイルSuica/EASYモバイルSuica)、PASMOは2007年3月時点ではカードのみのスタートとなり、携帯には対応しない。PASMO協議会では「今後の検討課題」としている。

オートチャージ用PASMOはクレジットカード会社への申し込みが必要


PASMOとSuicaで違う点(2):オートチャージ

 オートチャージは、改札を通ったり、バスの料金を払う場合に残高が少なくなっていると、自動的にチャージされる機能。PASMO事業者の駅でも、Suica事業者の駅でも、改札を通れば同じようにオートチャージされる。ただし、PASMO対応のバスに乗った場合や買い物に利用した場合にはオートチャージはされない。

PASMO鉄道事業者路線の改札 PASMOバス事業者の路線バス Suica対応改札

PASMO ○ × ○

Suica ○ × ○

 PASMOとSuica、いずれもオートチャージ機能を使うには特定のクレジットカードの登録が必要だが、運用は少し異なる。

 Suicaでは、オートチャージの限度額は1日に2万円まで。チャージするかどうかの判定金額と、自動的にチャージする額は、いずれも1000円から1万円までの間でユーザーが設定できる(VIEW ALTTEで変更可能)。Suicaで現在オートチャージ機能が使えるのは、JR東日本が発行するクレジットカード「ビュー・スイカカード」と一体になっているタイプだけで、モバイルSuicaや一般のSuicaではオートチャージ機能を利用できない。

 PASMOでは、残額が2000円以下の場合に3000円がチャージされる。1日に3回まで/1カ月に16回までという制限が設けられている。クレジットカードと一体ではないが、オートチャージ機能を利用するには、紐付けるクレジットカードの発行会社から送られてくる、オートチャージ機能付きのPASMOを使う必要がある。手持ちのPASMOにオートチャージ機能を追加することはできない。

 オートチャージ機能付きPASMOを使うには、株式会社パスモの提携カード(ジェーシービー、三井住友カード、UFJカードの3種)、または交通事業者系カード会社が発行するハウスカードのいずれかが必要になる。3月18日現在、合計128種類のカードがオートチャージサービスに対応している。

関連する鉄道事業者 カード名

パスモ Pastown

小田急電鉄 小田急OPクレジットカード 他

京王電鉄 京王パスポートカード 他

京成電鉄 京成カード 他

京浜急行電鉄 京急カード 他

相模鉄道 相鉄カード 他

西武電鉄 SEIBUプリンスカード 他

東急電鉄 東急ポイントカード TOP& 他

東京メトロ Tokyo Metro To Me CARD

東京都交通局 新銀行東京カード

東武鉄道 東武カード 他

カード選びのポイント

 記事の最初にも書いたように、PASMO/Suicaのどちらを選ぶかのポイントは以下の通りだ。

携帯で使いたいか

定期をどこで買うか

クレジットカードと紐付けるか/メインカードは何か

首都圏以外でも使いたいか

 サービス当初、PASMOはカードのみでスタートする。当面の間、おサイフケータイで電車に乗りたい場合、選択肢はモバイルSuicaだけとなる。モバイルSuicaユーザーが私鉄・地下鉄の定期券を持っている場合は、定期券に一本化するか、PASMOなり磁気定期券なりと併用するしかない。

 定期券を購入する場合、JR東日本の路線ならSuica定期券を、私鉄・地下鉄ならPASMO定期券を選ぶことになる。JRと私鉄・地下鉄の連絡定期券を使っている場合や、バスの定期券を購入するなら、SuicaでもPASMOでも構わない。

 定期券を買わないなら、よく使う場所がどの路線かに合わせるのがお勧めだ。すでにSuicaを持っているならそのまま使っていれば困ることは何もない。バス利用がメインであれば、割引率を考慮してバス共通カードを使い続けるのも悪くない。

 ただし私鉄沿線に住んでいて、交通系のクレジットカードを持っているなら、カードに紐付けたPASMOを使うとポイントが貯めやすいというメリットがある。本記事では対応クレジットカードについてあまり触れていないが、乗車だけでポイントをたくさん貯めるのは至難の業。行動範囲内に交通系クレジットカードの対応店舗が多くある場合は、ポイントも貯めやすいだろう。

 首都圏以外でも利用したい場合は、Suicaのほうが守備範囲が広い。新潟や仙台ではSuicaがそのまま使えるし、関西でJRに乗ることが多い場合は、ICOCAの代わりにSuicaで電車に乗れるのは便利だろう。

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