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PASMOとSuicaが描くソニーの戦略

http://rblog-media.japan.cnet.com/mugendai/2007/03/pasmosuica_ebef.html

 ソニーの次の手「Sony TV」で、ソニーがPlaystation Homeの戦略について語ったが、これはバーチャルワールド(仮想世界)の話である。実はリアルワールド(現実世界)で着々とソニーが足場を固めている。というのは、3月18日から始まるPASMO のことである。首都圏のJR・地下鉄・市電・バス、それぞれ別々のカードを使わなければならなかった乗車券が一枚のカードで済んでしまうことだ。今までの、Suicaでバスや地下鉄に乗れるし、新たに発売されるPASMOも同様だ。どちらも同じソニーのFelicaというカード様式を使っているのである。



 なぜ、今まで使われていたパスネットやバス共通カードではだめなのか。それは、パスネットのような磁気カードでは、自動改札機を通るたびにローラーやベルトが磨耗する、さらに磁気カードが詰まったりして駅員が修理する姿を見ない日はなかった。そこで登場したのが非接触型のSuicaである。タッチ&ゴーというように、自動改札機にカードをくぐらせる必要はないし、パスケースから出すこともない。それは、カードにアンテナが張り巡らされており、改札機とと0.1秒の速さで電波を交信させる。そうじゃなければ1分間に50人とも言われる通勤時のピークを乗り越えられないのだ。名前はPASMOといってデザインが違うが、使う駅が共通なのだから当然Suicaと共通部分も多い。(詳しくはJR東日本、PASMO、Felicaしいしせねっと参照)



 ところで、ソニーがSuicaを開発した理由だが、最初は88年の宅配便に使うICタグの開発から始まった。(岩田昭男著「電子マネー戦争Suica一人勝ちの秘密」中経出版) によれば、


 そんなある日、開発スタッフの一人が、鉄道総研でICカードによる定期券の開発が行われていることを新聞記事で知った。

 「定期券に使うならICタグが向いているかもしれない。これはビジネスになる」と考え、当時、ソニーの名誉会長であり、たまたま鉄道総研の理事長だった井深大(いぶかまさる)を介して、開発中のIC読取装置を鉄道総研にみせた。鉄道総研側は、そのICタグに関心を示して共同開発を申し出たのだった。

 それがフェリカ誕生の経緯である。そのときから、実をいえば、ソニーと鉄道総研との関係は生まれ、それ以後、3回の実験を通してもカードと装置の開発を行っていた。このため、入札でも、ソニーは早くから研究開発に取り組んでおり、その分有利だったともいえるだろう。


 このJR東日本の共同入札は97年、その年の4月すでにソニーは香港の地下鉄のカードオクトパスのサービスが始まっている。2001年11月18日にはSuicaの運用が始まり、同じように関西のICOCA、PiTaPaなど非接触タイプのカードが始まっている。いずれもやはりソニーのFelicaタイプを使用しているので、いくいくはSuicaと相互利用を考えているという。さらに、Felicaタイプにはもう一つの種類があり、これがEdyである(SuicaとEdyに互換性はない。SuicaとEdyの違いについてはFelicaしいしせねっとが詳しい)。




 FeliCa(フェリカ)って何なのさ?鉄道・交通ICカードのデファクト・スタンダード「FeliCa(フェリカ)」というページにはソニーの野望としてこんなことが書かれていた。


[多くの人が持ち歩く鉄道乗車券や携帯電話にFeliCaを搭載し、普及を図るとともに採用実績を作る]

   ↓

[電子マネーやクレジットカード、入退室管理、社員証など、FeliCaの用途を広げる]

   ↓

[FeliCaのカードやリーダ/ライタを売って儲ける]

[電子マネー「Edy」、クレジットカード「eLIO」などの関連ビジネスを自ら展開して儲ける]



 Suicaはすでに700万枚(Wiki によると2007年2月28日現在すでに1,911万枚、PASMOは未発行)普及しました。ICOCAやEdyなども含めてFeliCaの普及枚数を仮に1000万枚として、1枚あたり500円だとすれば、カードの売り上げそのものは高々50億円ということになります。しかし、鉄道会社や小売店などにリーダ/ライタの販売できること、自らFeliCaを使ったビジネスを展開できることを考えれば、ソニーにとってかなり大きなビジネスになることは間違いありません。

 マイクロソフトはWindowsがパソコン用OS(基本ソフト)のデファクトスタンダード(事実上の標準)の座を獲得し、高収益を上げています。ソニーも、FeliCaをデファクトスタンダードに育てられれば、独占を背景に高い利益を得ることになりそうです。


 先にあげた「電子マネー戦争Suica一人勝ちの秘密」によれば、電子マネー業界ではクレジットカードよりもSuicaやEdyがカードの主役になり、クレジットカードはそのSuicaやEdyの中に付帯していくというパラダイム変換が起こるだろうと結んでいる。ともかく、クレジットカードやキャッシュカードを何枚も持つ時代は終わり、電子マネーを握ったソニーが重要なポストを握ることになるのは間違いない。


※このエントリは CNET Japan 読者ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。


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