身近になる電子マネー(上)
http://www.be.asahi.com/20070303/W16/20070221TBEH0009A.html
駅の改札機やコンビニのレジでカードをピッとかざし、電車に乗ったり買い物したり――そんな光景が広
く見られるようになりました。ソニーの非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」を使った電子マネーサービスです。さらに、首都圏の電車やバスの多くに乗れる「PASMO(パスモ)」が近く始まるなど、今年は普及が進みそうです。話題の電子マネーを解説しましょう。(通信ジャーナリスト・神尾寿)
◆小銭不要の便利さで躍進
非接触IC技術は、かざすだけで即座に情報をやりとりできるのが特徴で、日本ではJR東日本のIC乗車券システム「Suica(スイカ)」で注目されました。今では公共交通のIC乗車券や決済サービス、会員証、入場チケット、オフィスの電子錠など幅広い分野で使われています。
中でも成長著しいのが決済サービスで、「電子マネー」とも呼ばれます。従来の磁気方式のキャッシュカードやクレジットカードよりずっと安全で、支払いは一瞬で済み、小銭もいりません。
現在、フェリカを使った電子マネーは複数の方式が乱立し、主なものだけで10方式11種類あります。完全なサービス連携が実現しているのは首都圏の「スイカ」と「パスモ」のみで、利用者が望む決済方式に店舗側が対応していないと決済できない問題があります。一部の店舗は読み取り・書き込み機(リーダーライター)を共用化するなど、複数のサービスに対応できるようにしていますが、一層の改善を望みたいところです。
現行の電子マネーは、方式によって前払い(プリペイド)と後払い(ポストペイ)の2種類に分けられます。
プリペイドはスイカなど交通系に多いほか、電子マネーの草分け「Edy(エディ)」や、セブン―イレブンなどを運営するセブン&アイ・ホールディングスが今春発行予定の「nanaco(ナナコ)」もこれに当たります。
このタイプは、利用前に現金をチャージ(入金)する必要がありますが、審査・与信が不要で、子どもからお年寄りまで使えます。チャージは、スイカなど交通系は駅の券売機、エディやナナコは店舗のレジや専用チャージ機でできます。スイカやパスモには、残金が一定額を切ると特定のクレジットカードから自動的に入金されるオートチャージ機能もあります。
◆方式の乱立、解決が課題
一方のポストペイ型のメリットは「チャージ不要」。使い勝手はクレジットカードに近いものの、処理が速く、サインもいりません(高額決済時には暗証番号が求められる場合があります)。大半がクレジットカードの追加サービスとして提供されています。交通系では、関西の私鉄やバスで使える「PiTaPa(ピタパ)」がポストペイ型です。プリペイド以上に使いやすく手間いらずですが、クレジットカードと同様の審査・与信があります。
多彩なポイントサービスも特徴です。エディは、全日空の「ANAマイレージクラブ」とセットで使うと、利用額200円ごとに1マイルが付与されます。JR東日本のスイカは同社のクレジットカード「Viewカード」とポイント連携しているほか、6月からは買い物のときなどにポイントがたまる「スイカポイント」が始まる予定です。iDやQUICPay(クイックペイ)などのクレジット系サービスは、クレジットカードのポイントがたまります。
初めて使う人は、どれを選べばよいのでしょうか。重要なのは、自分の生活に「身近」で「ポイントやマイルがためやすい」点です。首都圏で電車をよく使うなら、スイカかパスモを各鉄道会社発行のクレジットカードとセットで使うとお得でしょう。飛行機をよく使い、マイルをためたければ、エディが注目。手持ちのクレジットカードのポイントをためているなら、iDやクイックペイなど、対応する電子マネーを追加で申し込むのがおすすめです。
次回はおサイフケータイについて解説します。