電子マネー 上手に賢く活用 併用避け、特典効率的に
「レジが速い」「小銭が不要」-。
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/seikatsu/070413/skt070413001.htm
こんな利便性を持つ「電子マネー」が今年、相次いで発行されている。先行した電子マネーが確実に普及したことから、各社が参入に踏み切ったようだ。利用時のコツは、あまり多くを併用しないこと。それぞれが持つ“特典”のメリットを分散させず賢く利用したい。(山口暢彦)
乱立状態
電子マネーには大きく分け、流通系と鉄道系がある。流通系では、セブン&アイ・ホールディングスが今月23日、「nanaco(ナナコ)」をスタート。イオンも今月下旬、「WAON(ワオン)」を始める。
一方、鉄道系では先月、首都圏の鉄道・バス事業者がつくった会社パスモが「PASMO(パスモ)」を発行。4日間で、発行枚数は100万枚を超えた。その後も想定以上の売れ行きで、今月12日からは発売を一部制限した。
ほかには来年以降、日本たばこ協会などが、事前登録情報をもとに自動販売機から成人しかたばこを買えないようにするためのICカード「taspo(タスポ)」を出す予定。まさに“乱立状態”だ。
ここに来て、なぜ電子マネーへの参入が相次いでいるのか。
野村総合研究所副主任コンサルタントの上田恵陶奈(えとな)さんは「特に小売り系は(平成13年にスタートした)Edy(エディ)とSuica(スイカ)が普及する様子を見ていた。そろそろ発行するタイミングと判断したのだろう」とみる。
業者にとっての大きなメリットは、氏名や住所など顧客の情報を把握し、買い物のパターンを正確につかめること。一方、利用者は精算事務の時間が短縮され、小銭が要らないのでかさばらないという便利さがある。
各社はこれからも拡大を続ける予定で、例えばナナコは、セブンーイレブン約1500店でスタートするが、1カ月で全国約1万2000店にまで広げる。
一方、他の電子マネー利用者を呼び込むといった理由から、複数の電子マネーに対応したインフラ整備も進む方向で、例えばイオンは、NTTドコモの「iD(アイディ)」、「スイカ」が読めるレジの導入を進めている。
紛失注意
電子マネーの浸透は確実に進んでいるようだ。インターネット調査会社のマイボイスコム(東京)が約1万人を対象にした調査では、電子マネーを利用したことがない人は、17年8月の時点では62.8%だったが、18年8月には48.8%にまで減っている。
では選ぶ際のコツは? それは、たくさんの電子マネーを併用しないことだ。「せっかくのメリットが分散してしまう。生活圏で頻繁に使うものをよく考え、絞ったほうがいい」と上田さん。
メリットとは、電子マネーが自社に顧客を囲い込む特典として与えるポイントのこと。例えばナナコの場合、100円の買い物に1円分のポイントをつけるなどしている。「1つの電子マネーに絞って集中的に使ったほうが、効率的にポイントがたまる」
一方、“防犯”上の観点からも所持は少なめにしたほうがいいと語るのは「生活行動研究所」(東京)所長の西ケ谷葉子さん。「(カード型の場合)多く持つと1枚くらい落としても気づかず、悪用されることがありうる」と注意を促している。
■ 電子マネー 金銭的価値を持った電子的データ。プラスチック製カードにICチップを搭載したカード型や、携帯電話に機能を積んだお財布ケータイ型があり、読み取り機にかざしてデータを読む。事前に専用端末で入金する前払い式が主流だが、金融機関から後日引き落とされる後払い式も登場。入金限度額は数万円程度が多い。平成13年にスタートしたJR東日本の「Suica」(買い物機能は16年から)とビットワレットの「Edy」が先駆け。
(2007/04/13 14:07)