ソニー「フェリカ」工場から現地報告
パスモ不足で脚光
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=32022
本当にビックリした。最後は「人の感性」が威力を発揮しているとは……。
「パスモ品切れ騒動」で一躍、脚光を浴びることになったソニーの非接触ICカードの技術方式「フェリカ」。パスモにスイカ、エディやナナコ、ワオンなど電子マネーと呼ばれるカードのほとんどが、このフェリカを採用している。カードの見た目は全部違うけど、中身はどれもソニー製というわけだ。
それにしてもパスモ発売が一時中止になるほど製造、スピード量産は難しいのか?
「工場を見たい」とお願いすると「もちろん。ただすごく遠いですよ」と脅かされながら東北新幹線で仙台の先にある古川駅へ。
そこからタクシーで約1時間。田園風景に溶け込むようにソニーケミカル&インフォメーションデバイス(SCID、ソニーの子会社)の豊里事業所(宮城県登米市豊里町、社員約540人)があった。
フェリカを作る工場のセキュリティーは大したもので、ネズミ一匹入れないんじゃない? という万全さ。工場内に入れてもらうと、ム~ッとする湿気。静電気を発生させないために温度や湿度の管理は重要らしい。
「スイカやパスモは、単純には3層構造です。真ん中にアンテナやICチップの付いた透明フィルムが入っていて、それを上下から樹脂(プラスチック)でサンドイッチします」(ソニー関係者)
この段階では大抵、白色のカード。これに印刷会社が、さまざまなデザインを印刷する。
製造工程は、まずアンテナ回路をフィルムに加工、次にICチップを乗せ、今度はICチップを保護するステンレス製の「フタ」を上下に付け……と作業は機械が次々と行っていく。さすがハイテクと感心していると、最後の最後に「人のチェック」が待っていた。
「カード表面の傷や汚れなどは人の感性が大切なんですよ」(SCIDフェリカビジネス部の西條俊文統括部長)
1枚のカードが出来上がるまで約9時間。かつては7日間かかっていたというから大変な進歩だ。
現在、フェリカは24時間体制で作り続けられている。
「GWは返上、今度の盆休みもなしになると思います。みんな一生懸命です」(前出の西條氏)
そもそもパスモ不足はパスモ側の需要の読み違いが原因だが、豊里事業所も必死だ。
ソニーが生んだ久々の“大ヒット商品”だけに、グループ全体の期待も大きい。気が抜けない。