SuicaとPASMOを両方入れた財布で改札を通るには・デジタルサプリ
今年3月に首都圏の私鉄・バス事業者系共通ICカード乗車券「PASMO(パスモ)」のサービスが始まってJR東日本の「Suica(スイカ)」と相互利用できるようになり、駅の改札はICカード派がすっかり主流になった。SuicaとPASMOを両方持っているという人も多いだろうが、財布やパスケースに2枚重ねて無造作に入れておくと、改札で引っかかったり買い物で読み取りに失敗したりと、困ったことが起きる。(ビジネスマンのデジタルサプリ)
http://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?n=MMITdt000022102007
SuicaカードとPASMOカードはJRと私鉄で相互乗り入れするため、改札機などのカードリーダー側では「同じもの」と認識される。仕様上、SuicaカードやPASMOカードは2枚以上の同時認識は行えないため、同じパスケースにSuicaカードとPASMOカードを入れてしまうと、改札の通過や買い物ができなくなってしまうのだ。
こういうときは、どちらか1枚に統一するのが順当な選択だが、定期はSuicaなのに、自分の生活圏でよく使うクレジットカードがPASMOと相性がよかったりと、人それぞれ事情はある。ではこういう場合、パスケースを2つ持つしかないのか。いや、1つのパスケースでPASMOとSuicaを両方うまく使う、そんな方法がある。
■特殊シートがカードリーダーの電波を遮断
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使い方は簡単。パスケースの両面に装備しているカードスリットに、電子マネーカードを差し込むだけでよい
今回取り上げるのは、シェリー(群馬県渋川市)という会社が販売する「アイクレバー」というパスケースだ。一見すると普通のパスケースと違いはない。しかしこのアイクレバーは、表と裏に設けられたカードスリットの間に特殊なシートを挿入している。このシートには、改札機などのカードリーダーが発する電波を防ぐ機能があり、リーダーに当てた側のカード以外が反応することを抑える。結果として、通常は2枚重ねてタッチすると認識できないはずのSuicaカードやPASMOカードを使い分けることが可能になるのだ。
使い方は単純だ。アイクレバーの2つのカードスリットに、それぞれPASMOカードとSuicaカードを差し込むだけでいい。Suicaカードを使いたいときは、Suicaカードを差し込んだ面をカードリーダーに当てる。PASMOカードを使いたいときは、裏返してPASMOカード側を当てれば、どちらも問題なく利用が可能だ。もちろん、JR西日本の「 ICOCA(イコカ)」と関西私鉄系の「PiTaPa(ピタパ)」という組み合わせでも使える。
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PASMOを使いたいときにはPASMOカードを入れた面を、Suicaを使いたいときはSuicaカードを入れた面をカードリーダーに近づければよい
実際に駅で使ってみると、確かにそれぞれのカードをきちんと認識し、PASMOカードとSuicaカードを使い分けることができた。試しに両方のカードを同じカードスリットに入れて改札を通ろうとしたところ、この場合にはどちらのカードも認識できなかった。電波を防ぐシートが入っていないパスケースの場合も同じ反応を示すわけで、当然の結果とも言える。
■FeliCaチップ搭載カード全般で便利に活用できる
このアイクレバーはSuicaカードやPASMOカードの使い分け以外にも便利な使い方がある。というのも、アイクレバーに挿入されているシートは、「FeliCaチップを使った非接触型カード全般に対して有効」だからだ。FeliCaチップは、SuicaやPASMOのほかにも電子マネーの「Edy」や「nanaco」「WAON」などでも使われている。また、非接触型少額決済クレジットサービスの「iD」「QUICPay」などもFeliCaチップを使っているし、最近は社員証にFeliCaチップを組み込んで出退管理に利用する企業も増えている。
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実際、FeliCaチップを搭載するカードはどんどん増えてきている
経験がある人も多いかと思うが、こうしたFeliCaチップ搭載カードを複数枚財布の中に放り込んだ状態でリーダーにかざしても、うまく読み取れないことが多い。特に問題が発生しやすいのがUSB接続型やパソコン内蔵型のFeliCaリーダー、そしてコンビニの決済や企業の出退管理などに利用されるコンパクトなFeliCaリーダーである。
実際、記者が所有しているUSB接続のFeliCaリーダー「RC-S320」(04年10月発売)、およびソニーのモバイルノートパソコン「VAIO type G」(06年12月発売)に搭載されているFeliCaリーダーでは、FeliCaチップ搭載カードが2枚重なっただけで、ほとんどうまく読み取れなくなる。また一部のコンビニでも、社員証やiD対応クレジットカードと一緒の状態では、Edyカードやnanacoカードの認識がうまくいかないことがある。
ただし、複数枚のFeliCaカードを財布に突っ込んでいても、問題が起きにくいケースもある。その典型例がSuicaやPASMOなどの交通系FeliCaカード1枚と、それ以外のFeliCaカードなどをひとまとめに入れていて、駅の改札を通るときだ。この場合は誤動作が発生しにくくなる2つの条件がそろっている。
1つは、リーダー側の発信電波が強くセンサーの感度が高いこと。駅の改札で使われているFeliCaリーダーの発信する電波は、パソコン向けのFeliCaリーダーに比べると強力で、センサーも誤動作しにくい。もう1つの条件はカード側に「アンチコリジョン機能」を実装していることである。アンチコリジョンとは、同じ周波数帯で行われる無線通信を整理してデータのエラーが起きにくくする機能のこと。交通系カードにはこれが備わっているので、他のカードと一緒にしていても正しく読み取れるわけだ。
このアンチコリジョンに対応したFeliCaチップ搭載カードであれば、「例えば3枚重ねてもそれぞれのカードをきちんと認識できる」(ビットワレット)という。ただ、すべてのカードがアンチコリジョンに対応しているわけではなく、例えばEdyカードも未対応であり、企業の社員証でもアンチコリジョン対応のカードはそれほど多くはないようだ。
そんな時でもアイクレバーなら、片面に社員証かEdy、片面に交通系FeliCaカードといった使い分けができる。前述したパソコンにUSB接続するFeliCaリーダーや社員証のリーダーでも、アイクレバーを使うことで問題なく読み取りが行えた。
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アイクレバーではない、普通のパスケースに2枚以上のFeliCaカードを入れた状態だと、USB接続のFeliCaリーダーではEdyカードの情報が読み取れない(左)。しかしアイクレバーを使うことでEdyカードの利用履歴も確認できるようになった
■増え続けるFeliCaカードをうまく使いこなそう
電子マネーなど複数のICカードを積極的に使っている人にとっては、地味ながらも役立つアイテムといえそうだ。使い心地は、カードスリットがやや狭苦しくギュッと押し込まないと入らないのがちょっと面倒な点だが、あまり緩いとカードがスリットから抜け落ちてしまう。このへんは痛し痒しだろう。
1つのチップで多数の電子マネーや少額決済クレジットを処理できる万能ICカードが登場したり、携帯電話の「おサイフケータイ」にすべてを集約できる時代になったりすれば、こうした苦労はせずにすむ。が、今のところはそういうわけにもいかないし、現状の最適解としてはなかなかいいところをついていると思う。
■連絡先などメーカー シェリー
商品名 アイクレバー
実売価格 2980円より
問い合わせ先 0279-23-1551
URL http://www.shelly-card.com/
[2007年10月24日/IT PLUS]