カーシェアリング:自動車メーカーなど強化 専用車開発も
複数の利用者が車を共同で利用する「カーシェアリング」事業を、自動車メーカーやレンタカー会社が強化し始めた。環境意識の高まりや、駐車場を確保しにくい都心への人口回帰などで、特に都市部で車を持たない人が増えているためだ。電車と組み合わせて車を使ってもらうなど、新しいサービスも提供し、利用者の拡大を図っている。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080429k0000m020113000c.html
トヨタ自動車は昨年11月、カーシェア事業の「トヨタカーシェアクラブ」を実験的に開始した。子会社のトヨタレンタリース東京などを通じて、東京23区のJR上野駅前、目黒駅前、市ケ谷駅前と名古屋市内の計4カ所に、車の貸し出し拠点を整備した。
事前に会員登録を済ませれば、インターネットなどを通じて予約できる。貸し出し拠点は無人だが、ICチップを内蔵した会員証が車のキー代わりになり、空いている車があれば24時間いつでも使える仕組みだ。
月会費2980円と1050円の2種類があり、利用するたびにガソリン代の実費相当額と時間料金(15分ごとに160~310円)を支払う。レンタカーよりも手軽で、「近くの高層マンションに住む人が、買い物などに使う例が多い」(トヨタレンタリース東京)という。マツダレンタカーも東京都や広島県などで同様のサービスを行っている。
オリックス自動車は東京都や京都府などで計約200拠点を展開しているが、4月から公共交通機関の乗車カード「パスモ」を車のキーとして使えるようにした。会社員が営業先の最寄り駅まで電車で向かい、駅前の拠点で車を借りるといった「環境に優しい使い方」も提案している。
一方、カーシェア専用車を開発するメーカーも出てきた。スズキは4月、小型車「スイフト」に、カーシェアの会員証を車のキー代わりにできるようにした特別仕様車を設定し、カーシェア事業者向けに発売した。
カーシェアの普及が新車販売に影響を与える可能性もあるが、自動車メーカーは「手軽に車を使える環境を用意して、車の良さを改めて認識してもらうことは重要だ」(スズキ)と判断している。【宮島寛】
【ことば】カーシェアリング
1台の車を複数の人が共同で活用する仕組み。レンタカーと違い、利用者は毎月の会費と利用時の時間料金を払う。数十分単位の短時間でも手軽に車を借りられる。駐車場代を直接負担する必要がないほか、給油や洗車も事業者任せにできる。買い物や送迎ぐらいで、車をあまり使わない都市部の人たちをターゲットにしている。
毎日新聞 2008年4月28日 21時27分