【Suica編】ビューカードを使いこなすのがお得への近道
JR東日本が発行する電子マネー「Suica」。タッチするだけで改札を通過できるので、使っている人も多いはずだ。このSuica、当初は乗車券代わりに利用するICカードとして導入され、その後2003年から電子マネーサービスを開始した。2009年9月末時点の発行枚数は2735万枚。JR東日本の各駅での乗車時に利用できるほか、同じく交通系の電子マネー「PASMO」と相互利用が可能。首都圏の主要な地下鉄、私鉄、バスなどでも使える。またJR各社が発行する電子マネーとの相互利用にも対応しているので、SuicaでJR西日本、JR東海、JR北海道の各駅の改札も通過できる。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20091020/1029758/?top
買い物でも、駅構内のショップに加えて、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、スリーエフなどのコンビニやイオングループの店舗が導入済み(※)。現時点では、約7万530店でSuicaが使える。JR東日本は今年7月に、SuicaとPASMOの1カ月当たりの電子マネー利用件数が4000万件を突破したと発表している。
ここまで利用環境が整ってきたSuica。何気なく乗車券代わりに使っているだけではもったいない。お得な使い方を紹介していこう。
Suicaが使えるお店は増えている。身近なお店が対応しているかはここから検索できる
クレジットカードでチャージできるSuicaを選ぶ
まずはSuicaそのものの選び方だ。Suicaは、カードタイプと携帯電話内で動作する「モバイルSuica」に大別できる。カードタイプは、1.Suicaカード(無記名)、2.My Suica(記名式)、3.Suica定期券、4.Suica付きビューカード(クレジットカード一体型)がある。このうち、Suicaカード(無記名)はクレジットカードによるチャージに対応しないので、【基礎編】で述べた第一ステップ「電子マネーのチャージにクレジットカードを使う」が実践できない。
一方、モバイルSuicaには、一般的な「モバイルSuica」と「EASYモバイルSuica」がある。EASYモバイルSuicaもクレジットカードでチャージができない。Suicaでお得を実感したいなら、「My Suica(記名式)」「Suica定期券」「Suica付きビューカード(クレジットカード一体型)」「モバイルSuica」のいずれかを選ぶ必要がある。
●クレジットカードでチャージできるSuicaは以下の4種類
My Suica
券面下部に氏名が入る(画像クリックで拡大)
Suica定期券(画像クリックで拡大)
Suica付きビューカード(クレジットカード一体型;写真は「ビュー・スイカ」カード)(画像クリックで拡大)
モバイルSuica(画像クリックで拡大)
クレジットチャージの使い勝手を確認
早速、Suicaとの相性がいいクレジットカード探しを始めたいのだが、その前にクレジットチャージができる「My Suica(記名式)」「Suica定期券」「Suica付きビューカード(クレジットカード一体型)」「モバイルSuica」の実際のクレジットカードを使ったチャージ方法の違いを解説しておこう。
カードタイプの「My Suica(記名式)」「Suica定期券」「Suica付きビューカード(クレジットカード一体型)」では、JR東日本の“駅のATM”「VIEW ALTTE」(ビューアルッテ)を利用する(※)。Suicaとクレジットカードを挿入して金額などを指定すればいい。ただし、クレジットカードの暗証番号の入力を求められるので、あらかじめ確認しておこう。
“駅のATM”「VIEW ALTTE」(ビューアルッテ)。首都圏の主要な駅には必ずある。最寄りの駅に設置されているかはここで検索しよう(画像クリックで拡大)
「VIEW ALTTE」(ビューアルッテ)の画面。Suicaカードと決済に使うクレジットカードを挿入して、金額などを指定する。詳しくはこちら(画像クリックで拡大)
※これらのカードタイプのSuicaでは、残金が一定額以下になると自動でチャージする「オートチャージ」も利用できる。オートチャージの設定も「VIEW ALTTE」(ビューアルッテ)で実行する。
わざわざ「VIEW ALTTE」に出向くのが面倒な人は、JR東日本が今年7月から始めた「Suicaインターネットサービス」を利用しよう。これを使えば家からもチャージが可能になる。ただし、パソコン側に「FeliCaポート」と呼ぶSuicaなどの電子マネー用のリーダー/ライター機能が必要だ。搭載されているかはメーカーによって異なるが、ソニーなどは積極的に対応している。もし手持ちのパソコンにFeliCaポートがない場合は、USB端子に接続する外付けのリーダー/ライターを用意する。実売価格3000円前後で手に入る。
なお、古い「My Suica(記名式)」「Suica定期券」ではSuicaインターネットサービスが使えないものもある。具体的にはカードに印刷されたSuicaのロゴマークの周辺に緑の丸がないカードだ。古いカードはみどりの窓口で無償で対応カードに交換してくれる。
パソコンに「FeliCaポート」があれば家からもSuicaのチャージが可能になる
USB接続の外付けカードリーダー/ライター、ソニーの「RC-S330」。実売価格は3000円前後。詳しくはこちら
「Suicaインターネットサービス」の画面。なお「Suicaインターネットサービス」を利用するにはあらかじめチャージするSuicaや決済用のクレジットカードなどの情報を登録する必要がある。「My JR-EAST」と呼ぶJR東日本のネット関連サービスの統合アカウントを取得して必要な情報を登録しよう(画像クリックで拡大)
「Suicaインターネットサービス」が使えるカードタイプのSuicaには、Suicaロゴの周辺に緑色の●が2つ印刷されている。もし、手持ちのSuicaにこれがない場合、みどりの窓口に行けば無償で交換してくれる。ただし、交換時に履歴が消去される点は注意(画像クリックで拡大)
一方、モバイルSuicaの場合は、初期設定でクレジットカードを登録する。設定後は、携帯電話のエリア内であればどこでもチャージが可能になる。カードタイプのように場所を選ばずにクレジットチャージができる点は使い勝手がいい。ただし、モバイルSuicaは券売機などでの現金によるチャージはできない(そもそも携帯電話は券売機のカード挿入口に入らない)。
携帯電話の電波が入れば、いつでもどこでもチャージできるのでカードタイプよりも使い勝手がいい(画像クリックで拡大)
Suicaはビューカードと組み合わせて使う
続いて、それぞれのSuicaにチャージできるクレジットカードを見ていこう。
My Suica、Suica定期券:ビューカード
Suica付きビューカード:ビューカード
モバイルSuica:ビューカード、JCB、VISA、MasterCard、American Express、ダイナースクラブ、JR東海エクスプレスカード
すべてのSuicaのチャージに使えるクレジットカードは、JR東日本とその提携会社が発行する「ビューカード」だけ。モバイルSuicaなら、VISAやMasterCardなどに対応したさまざまなクレジットカードがチャージに使えるのだが、落とし穴がある。それはビューカード以外のクレジットカードを登録するには年会費が1000円かかること。これは、モバイルSuicaの利用料金であって、クレジットカードの年会費とは別の費用だ。この点だけを考えても、Suicaと組み合わせるのはビューカードしかないと考えていいだろう。
JR東日本以外の提携会社が発行するビューカードには「ii」と印刷されている(画像クリックで拡大)
なお、JR東日本はビューカード利用時のモバイルSuicaの年会費は“当面”無料という表現をしている。将来的に有料になる可能性は残されている。
では、ビューカードから相性のいいお得なカードを選んでいこう。現在ビューカードは20種類以上もあり、大きくJR東日本が発行しているものと各提携会社が発行しているものの2種類に分かれている。ビューカードの多くは、チャージやお買い物で付与されたポイントをSuicaに交換できるので、【基礎編】第二ステップの「クレジットカードのポイントを電子マネーに交換」はクリアしている。
JR東日本発行:「ビュー・スイカ」カード、ビックカメラSuicaカード、JALカードSuicaなど18種類
各提携会社発行:ANA VISA Suicaカード、みずほマイレージクラブカード≪セゾン≫Suica、SMBC CARD Suica、Yahoo! JAPANカードSuica、イオンSuicaカードなど8種類
大きく異なるのは、チャージする際のSuicaへの還元率。JR東日本発行のほとんどのビューカードは、1000円のチャージで「ビューサンクスポイント」が6ポイント付与される。これは400ポイントごとに1000円のSuicaに交換できるので、Suicaへの還元率に換算すると1.5%となる。対して、各提携会社発行のビューカードは0.25~1%程度のことが多い。この点だけ見ると、JR東日本発行のビューカードのほうがやや有利だ。
■変更履歴
初出では「VISA」を「VIAS」と記載しておりました。お詫びして訂正いたします。本文の該当部分は修正済みです。[2009/10/26 20:15]
相性のいい2枚のカードとは?
JR東日本発行のビューカードの中から、一番Suicaが貯まりやすいのはどれか。比較の基準として最もスタンダードな「ビュー・スイカ」カードの還元率などを見ておこう。Suicaへのチャージに使った場合は、前述の通り1.5%。このほか定期券の購入などでも1.5%の還元率になる。一方、一般加盟店や公共料金などでの使用では、1000円ごとに「ビューサンクスポイント」が2ポイント付与される。この場合のSuicaへの還元率は0.5%だ。年会費は500円となっている。
「ビュー・スイカ」カード
スタンダードなビューカード。Suicaへの還元率は、チャージで1.5%、一般加盟店で0.5%。最小交換単位は1000円(Suica換算)。年会費は500円(画像クリックで拡大)
Suicaが貯まりやすいカードとしては「ビックカメラSuicaカード」を第一候補にしておく。なんと言っても、ビックカメラでの買い物であれば10%分のビックポイントが付与され、1500ビックポイントが1000円相当のSuicaに交換できる。Suicaへの還元率は6%以上にもなる。一般加盟店でのお買い物も約0.83%と、「ビュー・スイカ」カードを上回っている。年会費も初年度は無料で、2年目以降は前年1年間でクレジット利用が1度でもあれば無料なので、実質無料と考えていいだろう。難点は、やはりビックカメラで買い物する頻度が高くないとありがたみが薄れることに尽きる。
「ビックカメラSuicaカード」
ビックカメラの利用頻度が高ければという前提条件は付くが、Suicaが貯まりやすいカードであることは間違いない。Suicaへの還元率は、チャージで1.5%、一般加盟店で約0.83%。最小交換単位は1000円(Suica換算)。年会費は実質無料(画像クリックで拡大)
実はこの9月までは、「ビックカメラSuicaカード」のSuicaへの還元率は、通常の買い物でも1%と、一歩抜きん出ていた。まさにSuicaなら最強のカードだったのだが、還元率の変更に伴い、ビックカメラでの買い物を重視しないならほかの選択肢も見えてきた。特にJR東日本の発行ではないビューカードにも魅力的なものがあると、ポイ探(ポイント探検倶楽部・東京都中央区)の佐藤温代表が推薦するのは「Yahoo! JAPANカードSuica」だ。
「Yahoo! JAPANカードSuica」
100円単位でポイントが貯まるので、実はYahoo!ポイントが貯めやすい。Suicaへの還元率は、チャージでも一般店舗でも1%。最小交換単位は1000円(Suica換算)。年会費は初年度無料で、2年目以降から525円(画像クリックで拡大)
「Yahoo! JAPANカードSuica」のポイント付与の考え方は非常に単純。たいていの場合、100円で1Yahoo!ポイントが付与される。1000Yahoo!ポイントが1000円のSuicaに交換できるので、Suicaへの還元率は1%だ。
ありがたいのは、やはり100円単位でポイントが付与されることだろう。「ビュー・スイカ」カードでは“1000円につき○ポイント”なので、「Yahoo! JAPANカードSuica」のほうが細かい買い物でも効率良くポイントが貯められる。このほかYahoo!ショッピングなどではボーナスポイントがあり、約2倍のポイント付与となる。なお年会費は初年度は無料だが、2年目以降からは525円かかる。前年1年間のカード利用額が10万円以上なら翌年度の年会費は無料となる。
ここで紹介したカードを2枚併用するというのも手だ。チャージとビックカメラでの利用は「ビックカメラSuicaカード」を、一般店舗では「Yahoo! JAPANカードSuica」を使うのがベストだろう。
Suicaポイントクラブに忘れずに入会
Suicaポイントが貯まる加盟店はこのロゴが目印(画像クリックで拡大)
相棒となるクレジットカードが決まったら、【基礎編】の第三ステップ「電子マネーのポイントを電子マネーに交換」を考えていこう。モバイルSuica、Suica付きビューカード(JR東日本と各提携会社発行の双方)を持っている人は、「Suicaポイントクラブ」に入会できる。
これに入会するとSuicaでの支払い金額に応じて「Suicaポイント」が付与される。Suicaポイントクラブ加盟店は紀伊國屋書店や紳士服のコナカ、洋服の青山、そのほか駅の中にあるコンビニや飲食店など。ただし、Suicaの使えるすべての店舗で「Suicaポイント」を貯められるわけではないので注意したい。コンビニなどではポイントが貯まらないのが残念だ。ポイントが貯まるお店はこちらをご覧いただきたい。
Suicaポイントの還元率は加盟店によって異なる。100円で1ポイントあるいは200円で1ポイントのケースが多いようだ。交換レートは、100ポイントが100円相当のSuicaになる。
ここまで来たら、Suica集約生活のゴールまであと少し。最後は、【基礎編】の第四ステップ「量販店やドラッグストアなどのポイントを電子マネーに交換」だ。Suicaポイントに交換できる提携先は、なかなか多い。洋服の青山の「AOYAMAカード」を持っていれば「AOYAMAポイント」を、ANAマイレージクラブに入会しているのであれば「マイル」をSuicaポイントに交換できる。提携先は全部で20もある。同じJR東日本の「えきねっとポイント」、電子マネーの「WAONポイント」も交換可能だ。Suicaポイントに交換可能な提携先はこちらを参照してほしい。
Suicaに消費生活を集約するイメージはできただろうか? もちろん、完ぺきに集約できるわけではないが、できるだけ集約することを心がけ、クレジットカードやよく使うコンビニ、量販店などのポイントを見直してほしい。
(文/小川たまか=プレスラボ、渡貫幹彦=日経トレンディネット)